「……ハァ……」 授業中、机の下で意味もなく手元の携帯をパタパタと開いたり閉じたりしてみる。 どんなに携帯を睨んでも眺めても、無意味だって分かってるのに。 さっきの出来事を未だに引きずっているあたし。 教壇の上で先生が何か言ってるけど、そんなの全然頭に入ってこない。 今のあたしの頭の中は流星のことでいっぱいだから。 他の情報なんて入るわけない。 「保健室で女襲ったって本当か?」 智也の確信に満ちた強い眼差し。 それを否定せず、わずかに視線を落とした流星。