「今回はなんていう映画だっけ?」



「『貧乳ウォーズ』だ」烈火が自慢げに笑った。「こいつらも出演者ってわけ」と、両脇の美女をアゴで示す。



「ですよねえ」彼女たちの胸を確認して、僕は深く頷いた。「女の子だらけの撮影ってわけ?」



「そう」烈火が少し、うなだれる。「ホワイトデーのお返しが大変だ」



「なにをあげるの?」興味本意で、聞いてみる。



「何って……ホワイトデーといえばあれしかないだろ」烈火は力強くうなずく。「マシュマロだ」



「……マシュマロは古すぎて論外らしいよ」



「は? いつからマシュマロが古くなったんだ? 他に何をあげろってんだ」



「さあ?」僕もそれが聞きたいよ、と思った。



「あ、じゃあ俺、そろそろ行くな」烈火がバイビーと、美女を従えて去っていった。