その間もアンコールは鳴り止まずにいた。

涙を堪え、目を開けて前を見ると、みんな笑顔でこちらを見ていてくれている。


(お前が考えた電車ライブ、こんなに盛り上がっているよ。

こんなこと考え付くなんて、やっぱお前ってすげぇよ)


「ありがとうございます。

正直、ここまで盛り上がるなんて想像もしていなかったので、少々戸惑っています。

アンコールの曲なんて考えてもいなかったので、最初に歌った曲をこの盛り上がりとともにもう一度歌いたいと思います。

最初だったんでね、やっぱり盛り上がりに少し欠けたんで、本当に最後は盛り上がってください」


携帯で曲の準備をする。

やっぱり、ハマとの最高の思い出であるこの曲は盛り上がらなければいけない。


深呼吸をして、窓の外を見る。

よく晴れたいい景色だ。


(じゃあな、ハマ!)