大きな宮殿、大きな部屋。
大きなベッドに沢山の仕える者。


金も持て余している。


「お父様。」

「何だフラン?」

「こうして欲しいんだけど...。」


政治のお願いを、両親はあっさりと聞いてしまう。
つまり、裏の支配者はフランとなる。


平民とは接触がしたことが無い。
だから、「私、街へ出てみたい。」と
一度、そのようなわがままを言ったことがある。

けれど、姫様は狙われてしまう。

騒ぎになってしまう。
あまりにも危険だ。

ということでこのわがままだけは聞いてもらえなかった。



何か、特別なことでもなければ外には出れない。



友達も居ない。



欲しいものは手に入るけど、それだけは手に入れることはできなかった。