「るーいーさん!」


『クソ重いですね、どきやがれこの腹黒。』



廊下を歩いていた瑠偉に、ガバッと後ろから抱きついた沖田。


外では、もうセミが鳴いているこの季節に抱きつかれると、暑い。



「瑠偉さん!あそびましょ。」


『丁重にお断りします、というか正直に嫌です諦めて下さい、ってか離れろ。』



べりっと沖田を背中から引き離すと、シュンと子犬のような顔をする沖田。



(……うっ。)



惚れた弱味、というやつだろうか。



(この顔には弱いんだよな……沖田さん限定で。)