―――好きになったんは、瑠偉が此処に来た日。




私には誰もいないと、泣いていた。


ワイもな、副長の影に隠れて見とったんやで?



副長に口答えして、副長に勝ったオナゴやさかい、意外やったんや。


お前に誰もいないというなら、ワイが居てやろ思うた。




せやから



「…絶対渡さん。」


『は?手裏剣を?…ケチだな。』


「違うで、つか瑠偉に渡したら血で汚れて返ってきそうや。」






きっと


好きになったのは
毒舌と強さで隠している
涙と弱さを垣間見たから。





【END】