山崎が部屋から出て、斎藤を追う。



「なんで逃げるねん!」


「俺は…!座敷童など見てない!そんなものは存在しない…!」


「アンタもしかして、幽霊とかそういう類のもの苦手なんか!?つーかアレは座敷童ちゃうで!」




だんだん遠ざかっていく声。

かなり遠くまで走っていったらしい。




「………。」


「………。」


「………。」



堅物、無口な斎藤が、意外なものが苦手と分かった。



*******
(後日談)



「俺は…苦手なものなど…。」


「うーらーめーしーやー…。」


「――――っ!?」


「アレ?逃げられちゃいましたね。」


『…夜中に何やってんですか、沖田さん。』


「あ、瑠偉さん。斎藤さんに座敷童扱いされた仕返しです!」


『………。』







【END】