「瑠偉!へっへー、誰だー?」


俺は廊下を歩いていたら、瑠偉の後ろ姿を発見したから、「今だ!」と唐突に思い、後ろから目隠しをした。



「私はこんな馬鹿なことをする知り合いなど居ません。早くこの不愉快な手を離せ。馬鹿の手を見るより殺風景な景色を見る方がいい。離せ、馬鹿。早くしろ馬鹿。」


「何回バカって言ってんのぉお!」


「四回。」


「冷静ですね流石です!」



俺はパッと瑠偉から手を離す。


つらつらと毒を吐く、顔の整った少女。

俺の―――彼女。




「馬鹿のくせに余計なことばかり思いつきますね原田さん。」


「すみませんっしたぁあ!」




完全に、尻に敷かれているけど。