──朝。
いつもの儀式が始まる。
「ハールー!起きなさーーい!学校!ちーこーくー!!」
部屋のドアをバーンと開ける音と、姉ちゃんの目覚まし代わりの声が響く。
「ハル!早く起きて!姉ちゃん遅刻しちゃう!」
「んー…うるせー…」
「よし!朝ご飯はテーブルの上!洗濯物よろしく!じゃ、いってきまーす!」
ドアがバタンと閉まり、廊下を走る騒がしい足音が聞こえる。
そして玄関の扉が閉まり、鍵をかけた音を確認すると、俺は布団から起き上がる。
「眠い…」
俺の家はいつもこうだ。
姉ちゃんが俺より早く起きて、朝ごはんを作り、洗濯して、俺を起こしに来る。
そして俺が起きたのを確認すると仕事へと向かう。
「とりあえず…朝飯食べよう」
頭がボー、とする。
俺は朝が弱い。
