北中の正門前に着くと、髪がふわふわの女の子がすでに立っていた。

「あ……。」

気が付いて僕の方を見てるってことは……

「万里花ちゃん?元気だった?」

「うん……。」

あ、やっぱり当たってた。
玲はきっと俊と一緒だろうし。

「そか、良かった。で、二人はまだだよね、きっと。」

「うん………。」

二人の事を聴くと、万里花ちゃんは俯きながら答えた。
それにしても…女の子って変わるんだなぁ。
万里花ちゃんショートだったのに今はふわふわだし。


(………。)


やっぱり…万里花ちゃんって僕と二人だとあんまり話さないんだよな。
嫌われてるのかな…?


「おう!佐知、万里花!」

なんて考えていたら、俊が手を振るのが見えた。
やっぱり玲も一緒だ。

「二人とも遅かったね?」

「あ、うん…佐知ごめんね。」

「どうせ、あんたが遅かったんでしょ。」

「人聞きわりぃな!!俺らは万里花の…「俊ちゃん!!」

俊の声は玲の声に掻き消されて、途中から聞こえなかった。

「私が…何?」

「ちっ…何でもねぇよ…。」

「二人とも?そろそろ行ける?」

俊と万里花ちゃんは止めないとキリがないからな…。

「あ…うん。」

(…万里ちゃん可愛いなぁ。)

(…佐知いつ気付くんだ?)