後ろから聞こえた声に頭が真っ白になる。










こんな所にいるわけないはずの、聞きたくて聞きたくてしょうがなかったのに、聞くのがこの上なく怖かった声。









ゆっくり振り返ると、
悪戯っ子のような、得意げな、でも優しい笑みを浮かべる、アオがいた。

少し日に焼けたようで、学校にいた時みたいにワックスをつけていない茶髪は無理矢理一つに括ってあって、でも当たり前のように彼は立っていた。




「入るとこ迷ってたんだろ?
美術部入れよ」





そう言ってアオはいつかの教室にいた時みたいに、優しく笑った。

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