仕方ない…静音の負担を減らすために今回は宮井とやるか。

あいつすぐ無理するし…。


「わかった」

「いっちー先輩ならそう言うと思ってました!まぁ、もう置き手紙にいっちー先輩と私だけでやると書いてるんですけどね」


さっき書いて、机の上に置いていたやつか。

まだ何も言っていなかったのに気が早い。


「これで先輩の私への好感度が上がるはず…ふふふ……」


それが一番の目的か…。

宮井は部室を出て、ドアのすぐ横にある札を手に取る。

9月頃に急に静音が作った物だ。

裏表に「外出中」「受付中」と書かれている。

帰ったり、部室を離れる時は「外出中」にしろと静音に言われていたが…

俺は毎回忘れて実は1度も変えたことがない。

「外出中」に変え、どこに行くかも知らされないまま、俺と王子野は先頭を歩く宮井について行った。