点呼が終わると、奏十は央の所へと行った。

そういえば、仁と央と奏十の生徒会メンバー。

そして、静音と一と一緒の班になったって言ってたな。

どのくらいの確率でそんなメンバーの揃った班になるんだ。

央と奏十は何やら話していて、央が指を差す。

その方向へと俺も目線を移すと、数十人の女子に囲まれた仁の姿があった。

うわぁ……。


「おはよう、星野」

「………おはよう」


俺の横を素通りしようとした星野に挨拶をすると、とても小さな声が返ってきた。

そして横目で見てくる。

咲…すげぇ悪化しているんだが、これで本当に良かったのか?

残りの4日間が不安でしかたない。


「あの3人は?」

「あそこ」


吉川、中村、三上は向こう側でいつものように話している。


「で、その荷物は?」

「………あたしの」

「ふーん」


自分の荷物だという星野の荷物の数はどう見ても1人分ではない。

手一杯に荷物を抱えている。

それに、あの3人は荷物を持っていない。


「ちょ、ちょっと!?何するの!?」

「運ぶの手伝うだけ」

「…は?あたしが皆の分をはこ」

「俺は星野の分って聞いたから手伝うだけ。あいつらの分を運ぶ気はない」

「……か、勝手にすれば?」


星野はそう言うと、足早にバスまで荷物を持って行く。

随分と初対面時と態度が変わったものだ。