一くんは、私の涙を優しく手で拭ってくれた。


「俺様が静音を好きになったせいで、悩ませて、泣かせてごめんな。でも、俺様は後悔してねーよ。静音を好きになったこと」

「………」

「日本に来て本当に良かった。静音に出会えて、好きになって、本当に本当に良かった」

「一くん…」

「はい、泣くのやめやめ。言ったろ。静音には笑顔でいて欲しいって…だから、笑えって!」

「っ………うんっ!」

「あ!さっき言ったのも、これも台詞とかじゃねーからな!?正真正銘、俺様の言葉だからな!」

「ふふっ…うん。わかってるよ」


満足気に、にっと笑う。

一くんは、初めて出会った時から真っ直ぐで。

急にプロポーズをしてきたり、少し変わってるところがあって、戸惑ったけど…

本当にいい人だ。

そんな一くんに好きになってもらえた私は幸せ者だ。


「一くん、ありがとうっ!」

「………!!」

「え。どうしたの?」

「も、もう1回!」

「もう1回?」

「さっきの笑顔、すっげー可愛かった!いや、いつも可愛いけどさ、さっきのは反則級だった!」

「え…?」

「だからもう1回笑ってくれ!次はばっちり写真撮るから!」


…やっぱり少しじゃなくて結構変わり者だ。