地図を探していると、地図よりも先に月桜の制服を着た男女が目にはいった。
男の子は後ろ姿で、女の子は男の子に抱きついているようで、顔がよく見えない。
そして、2人ともどこか見覚えがある気がする。
よく目を凝らして見る。
「柊也…?」
無造作な赤黒い髪の男の子は柊也だろう。
女の子は多分、朝に見た柊也と班が一緒の子。
あの柊也が嫌がる素振りもなく、女の子に抱きつかれている。
つい最近までは女嫌いが治ったのだと少し嬉しさを感じていたのだが…
今は嬉しさなんて全く感じない。
逆になんだかとても…もやもやする。
この感情は今日が初めてではない。
昔も1度、同じ感情を抱いたことがある。
私の足は、無意識に来た道へと動き出していた。
とにかくこの場から離れたい、そんな一心で。

