私と要くんが柚希ちゃんを止めて、数日後。
柚希ちゃんはおじいさんのお見舞いの為に病院へと訪れた。
そこでまた出会ったのが要くん。
「あ。この前の…」
「あの時は本当に有難うございました!!私、どうかしていましたね……。お二人には感謝しきれないです…」
「……ははっ。別に感謝されるようなことじゃないよ。というか俺の方こそ有難う」
「え?」
「生きてくれて」
キョトンとする柚希ちゃん。
「ところで、その花は誰かのお見舞い?」
「はい、おじいちゃんの。えと…貴方もですか?」
「んー…まぁそういうことにしとこうかな。あ、俺の名前は楠ヶ谷 要(クスガヤ カナメ)な。要でいいよ」
「要…くんですね。私は宮井柚希といいます」
「よろしくな、柚希」
それからは、よく要くんと病院で会う機会があったらしい。
そして柚希ちゃんのおじいさんが退院する日。
「良かったな、ゲンゾーのじいさん元気になって」
「はい!またカラクリ屋敷の仕掛けを増やして再開するみたいですよ」
「まじか、元気だな。ほんと」
「…はい」
柚希ちゃんは涙を流しながら、要くんの顔を見た。
「えっ…どうした?ゆず。大丈夫か?」
「大丈夫です。…こうやっておじいちゃんがまた元気になって良かったって…あの時、要くん達が私を止めてくれて本当に…本当に良かったなって……」
「…俺らだけが止めたわけじゃないよ。俺らが帰った後もまたやろうと思えばやれた。
でも、ゆずはやらなかった。つまりは、自分の意思で止めたってことだろ。
だから自分に感謝しなくちゃな」
「要くん…」
「あー…ほらほら泣くのやめやめ。ゲンゾーのじいさんに俺が怒られるだろー」
要くんは笑いながら、柚希ちゃんの涙を拭う。
だが、柚希ちゃんは少し納得していないような顔を見せた。

