そうだ。約3年前の夏。
柚希ちゃんと私が初めて会ったのはその時だ。
名前も聞かなかったし、柚希ちゃんも今より髪が短くて気付かなかったけど、思い出した。
あの人と……要くんと久しぶりに一緒に帰っていた日。
向い側のホームにいた柚希ちゃんを見て、要くんが急に急いで走りだして。
私もそれに続いた。
そして要くんと一緒に柚希ちゃんの腕を引いた。
「あの時、言えなかったんですけど…もう誰も私の味方はいない、私がいなくなったって誰も気にしないって思ってたんです」
柚希ちゃんの家庭環境は複雑なものだったらしい。
幼い頃に両親は事故で他界。
その為、おじいさんとおばあさんと一緒に住んでいた。
両親がいないこともあって、学校でからかわれたり嫌な事があったけど、おじいさんとおばあさんがいたから平気だった。
小学5年生の頃におばあさんは亡くなってしまい、その後はおじいさんと暮らしていたが、中学1年の夏…おじいさんは倒れ、入院。
柚希ちゃんにとって大切だった、大好きだった人が次々といなくなってしまう。
それが嫌で辛くて耐えられなくて、おじいさんがいなくなる前に自分もいなくなろうと思ったようだ。
「でも、先輩と要くんが私を助けてくれました。涙を堪えてすっごく強く私の手を握って。先輩がそう言ってくれたおかげで私は今生きていられてるんです」
「柚希ちゃん…」
「そして私は要くんと約束をしたんです」
「約束?」

