授業中以外は必ずと言っていいほど、図書室にいる。
そして、カウンターのところで何十冊も本を積み上げ、本を読んでいる。
『管理番号2番の本?入って真っすぐ進んで4つ目の棚を左。その後また真っすぐ進んで8つ目の棚を左。で、右側の2つ目の棚の下から3番目14列目の本』
迷いなく言い始める柴原。
俺は勿論、仁も悠も全く覚えれていないようで。
「わりぃな、梓。もう1回頼む」
『はぁ?だから、入って真っすぐ進んで4つ目の棚を左。その後』
「待て待て。もう少しゆっくり言ってくれ…」
『あー…もう。しょうがないな。最後だからね』
ゆっくり、と言ったのだが結構容赦なく早口だ。
言い終わると、『もういいよね』と電話は切られた。
「えぇっと…左に行って、そのあと右側2つ目の棚の下から3番14列…の部分しか俺は覚えれていないんですけど…柊也先輩は?」
「14列目」
「それ一番最後の部分だけじゃないですか」
『申し訳ないんですが、俺も若も電話から電話越しじゃ聞き取り難くて、覚えられていないです』
肝心な最初を覚えている奴がいない。
仁はというとずっと黙っている。
「仁先輩は…」
「話かけんな…忘れる…」
そうして考えつつ、黙ったまま進んで行く。
俺と悠はその後をついて行った。

