「どうして柊也は私を連れて来たの?」

「あ?嫌なのか?」

「え。別に嫌ってわけじゃないけど…」

「まぁ、嫌なのはこっちの方だしな」


は!?

本当、一々ムカつく!!

…落ち着け、私。

柊也は元からムカつく奴だ。

ここはあえて無視すればいいよね。


「…それで、どうして連れて来たの?」

「あぁ…笹島って奴に伝言を頼まれて部室に行ったらお前が寝てた。起こしてやっても起きねぇからしょうがなく待ってやってたんだよ」

「うんうん」


待っててくれたとか優し…って違う違う。


「それでもお前、爆睡して起きねぇで下校時間過ぎたから強制で帰れって言われた」

「うん」

「で、俺がおぶってお前ん家なんて知らねぇから、ここまで連れて来た」

「な、なるほど」


私、どんだけ爆睡していたんだろうか…。

っていうか、この歳にもなっておぶられるとか…恥ずかしい。


「途中の公園で捨ててやろうかと思ったけどな」

「捨てないで」


なんて奴だ。

公園に捨てようと思うとか酷すぎる。

まぁ、爆睡していた私も悪いけど…。