鍵で門を開けると、すぐ近くにある小さな小屋に入る。
警備員のいる場所だ。
『すみません。生徒会長の間仁なんですけど』
『わっ!?間くん。驚いたなぁ、こんな時間にどうしたんだい?』
『それが火曜の会議に使う大事な資料を生徒会室に忘れてしまいまして…どうしても今のうちに直す点があって困ってしまい、取りに来ました』
『あぁ…修学旅行の会議かい?いつも遅くまで頑張ってるもんなぁ』
『いえ、警備員さんこそ。毎日、警備のお仕事、有難うございます』
『いやいやぁおじさんはこれが仕事だからねぇ。ほんと出来た子だねぇ間くんは』
『とんでもないです』
仁の表モードはいつも通り。
この切り替えに慣れている俺と悠は普通に聞いていられる。
ただ、一といつきだけは違った。
「こえー…仁って何者だ……」
「生徒会長さん凄いですね。若にも見習って欲しいです」
世間話を済ませ、仁は校舎へと入っていく。
入ったものの、何もなかったようで生徒会室へと無事についたようだ。
『もしもし?汐和』
『……はい…今何時だと思ってるんですか会長さん…ふわぁ…』
『悪いな。ちょっと急な頼みがあって』
『…演劇部の部費を上げてください』
『ははは、考えとくわ』
どうやらスピーカーで通話をしているようで、汐和(シオナ)という女の声も聞こえてくる。
仁は『一旦、切るな』と俺らとの電話を切った。
ここから先の話を聞かれないようにするためみたいだ。

