一くんは扉からまだ顔だけを出したまま、息を呑んだ。
「条件とはなんだ…」
「生徒会の仕事を手伝え。そしたら静音のことは好きにしていい」
「好きにしていい…好きにしていいんだな?」
「おう。好きにしろ」
それを聞いた途端、此方へと歩いて向かってくる。
そして手を差し出した。
仁もそれに対し、手を出し、握手をする。
「手伝おう」
「決まりだな」
いやいやいや、何勝手に決めてるのこの2人。
当の本人を話にすらいれてくれない。
仁から解放された私を次は一くんが捕らえる。
「静音ー!会えなくて寂しかったぞ」
「昨日会えなかっただけだと思うけど…あと顔が近い……!!」
「一日会えないだけでも俺様はさみっ…いたたたたたたっ!!!?」
思いっきり、仁に頬をつままれる。
その隙に私は一くんの腕から逃げた。
「好きにしていいのは仕事が終わってからだ。いいな?」
「はひ…ごめんなざい……」
「よし」
放された頬をさする。
王子相手によくやれるね、仁は。
私と一くんは先程の箱に入れていく作業。仁は違う作業を始めた。
「ところで、一くん。いつきくんは?」
「知らん」
「知らないって…」
「喧嘩した」
「え、喧嘩?」
それは数十分前に遡る。

