「つーかお前は?」
「え?私?」
「そう。お前は好きな奴はいるのか?」
「私が…好きな人……」
『静音ー!!!』
バンッ!!と扉が開くとそこにいたのは一くん
仁と目を合わせるとすかさず扉に隠れ、顔だけをそっと出した。
どうやら仁の事を怖がっている様子。
珍しくいつきくんはいない。
昼休みとか見かける時は、必ず一緒にいる気がしていたのだけど。
「し、静音を渡してもらおうか…」
「は?」
「だから静音を俺様に渡すんだよ…!昨日もずっと静音を独占してただろ!!」
その言葉を聞いた瞬間、仁の口元が少し緩んだのを私は見逃さなかった。
あぁ…なにか悪だくみでも考えたんだ、とそう思う。
っていうか独占って何。
「えっ!?」
仁は私の腕を引っ張ると、そのまま自分の方へと寄せる。
方手で腹部と右手をがっちりと捕らえられ、もう片方の手で左手首を掴まれた。
これで私は全く逃げられない状態だ。
「おいこら仁!!俺様の嫁になにする気だ!?」
「なんだ静音…お前は一の嫁になったのか?」
「違うよ、とりあえず気にしないで」
「こそこそ話すな!人の話を聞いてるのか!」
「聞いてる。ただで渡すわけねぇだろ?渡すには条件がある」
先程、口元が緩んだのはやはりその条件とやらを思いついたからだ。
あの短時間でそんなこと考えるなんて流石としかいいようがない。

