E3枚目…E4枚目……次が最後のEで…
10組目になると流石に疲れてきた。
手もそうだけど、目もなんか乾燥してきたというか…
「あー疲れた」
立ち上がり、伸びをする仁。
四角い箱が隅にたくさん積まれてた。
床には丸くされた段ボールが散らばっている。
なにか音が聞こえていた気がしたけど、切ってた音だったんだ。
「ずっと同じことしてると疲れるな」
ポケットから目薬を出すと、手慣れたように差す。
私が見ていたのに気がついたのか、こちらに顔を向けた。
「静音もするか?目薬」
そうして差し出される。
受け取ったものの…実は私は一度も目薬を使ったことがない。
上を向いて、目を開いて、押す。
が、瞬きをしてしまい、上手くできない。
「お前下手くそだな。貸してみ」
目薬を取ると、顔を近づけ、目を手で開くように固定された。
「ちょっ、ちょっと待って仁…!初めてだから…!!」
人にされるとなんだか怖いというか緊張するというか。
「すぐ終わるっての。じっとしとけ」
「うっ…」
差された瞬間、目がすーっとした。
零れた残りが顔をつたう。
「もう強引…」
「これだけでびびんなよ…ん?」
急に扉の方を見る。
私もつられて見たが、特に何もないし人もいない。
「どうしたの?」
「いや、なんか音がした気がしたけど…気のせいだったみたいだな。ほら続きやるぞ。俺が折るから、お前はひたすら書け」
「あ、うん」
あと少しだし、頑張ろう。

