俺はすぐ様に退き、栗原へと目線をやる。
栗原は勿論、悪びれることもなく宮井の隣へと立つ。
「もうっ!柊也ったら大胆なんだからっ♡」
「お前な…」
「私、いっちー先輩がそんな人だなんて全く思っていませんでした。いっちー先輩だけは裏切らない…いい人だと思ってたのに…」
「いやだから誤解だって言ってんだろ」
「本当だろうが誤解だろうがこの状況になったのは事実です…では……」
「え?柚ちゃん帰っちゃうの?」
何も答えず、宮井は部室を出て行った。
これは最悪だ。
つーか、裏切らないってどういう意味だ?
「誤解されちゃったわね♡ってやだ。柊也そんな目で睨まないでよぉ」
「はぁ…」
これはもう溜め息しかでない。
またソファへと座ると、やはり栗原も隣に座って来た。
もうめんどくせぇから放っておこう。
これ以上のことが起こらないように。
「で、依頼あるんじゃねぇのか?」
「え?別にないわよ。遊びにきただけ♪」
「は?まじかよ…」
移動するんじゃなかった。
まだ数十分しか経っていないが、疲れてきた。
その原因の当の本人はにこにことご機嫌そうだ。
「笹島は?」
「しんくんなら乙女の思いを受け止め中♡」
「またか」
「だってしんくんはイケメンだし性格もすっごくいいし、世界一最高だもの。当たり前じゃない♪」
「あっそ」
「あらやだ嫉妬?」
「なわけねぇだろ」
「ごめんね柊也。柊也でもやっぱりしんくんには勝てないの♡」
なんで俺が振られたみたいになっているんだ。
本当にこいつは人の話を聞かない。

