じっと見ていると、男の人は「あぁ」と声を出し、帽子を被った。
「これでわかるか?」
「お、鬼塚さん!?」
「そうだよ」
「僕もいるぞー」
そう後ろの席の窓が開くと同時に聞こえた。
「ちょっとぶりー」と手を振るのは工藤くん。
「あの後ろ姿はしーちゃんかなと思ってな。で、その大荷物は?」
歓迎会の話をすると「ちょうど良かったな」と車に乗せてくれた。
鬼塚さん達は文化祭の時のお礼を言いに月桜へ向かっていたところだったらしい。
「中西くんが鬼塚さんとイトコって言ってたこと本当だったんですね。帽子取ってるとどことなく似てます」
「ん?しーちゃん、ひろと友達?」
「友達というか知り合いというか」
「ははっ、曖昧だな。ひろとは昔からよく…」
「わっ!?」「うおっ!?」
急停車するとUターンをし、すぐに曲がった。
私も工藤くんもわけがわからず、あわあわとする。
着いた場所はテントが3つほど立てられ、テントの下には人と物。
小さな市場のようだ。

