「えぇっと転校生が来ることは仁はもう知ってるよね?」
「あー。そんなこと聞いたな確か。なんか凄い奴とかなんとか」
曖昧な記憶。
凄い人、っていうのは合ってるけど、生徒会長がそんな適当でいいんだろうか。
「どこかの国の第2王子とその側近?の人らしいんだけど」
「なんだよ、どこかの国の第2王子って」
「どこの国なのかは教頭先生も知らないみたい。秘密らしくって」
「怪しすぎるだろそれ」
確かに怪しい。
そもそもどこかの国の第2王子がどうして月桜に?
って感じだけど考えてもわからないことだ。
「ま、まぁとにかく私達はその王子と側近の人の歓迎会をして、ってことなの」
王子といえど、全校生徒で盛大に迎える、というのは中々に困難だ。
そこで、生徒会と裏生徒会部で歓迎会を開いて欲しいと教頭先生に頼まれた。
ここの講堂を少し飾ってお迎え。そして学園案内をする。
最低限それをやればいいみたい。
「明後日に来るらしいから明日飾り付けをしようかと」
「ここを1日で…しかも放課後に飾り付けか。とりあえず千尋以外は来れるとして…」
「千尋くんは来られないの?」
「もうすぐ修学旅行があるからな。先生と予算の話し合いとかなんやらかんやら」
「あ。あー…なるほど」
月桜の修学旅行は凄いみたいだからなぁ…。
会計の千尋くんは忙しいわけだ。
「お前らも誰か連れて来いよ。できれば俺が疲れないで済むメンツな」
仁が疲れないで済む、ということは裏を知ってる人ということだろう。
表の仁をずっと見てるのもこっちとしても疲れる、というかなんだか怖い。気持ち悪い。

