帰る際に、また悠が静音をからかう。
「静音先輩、メイドをお持ち帰りってありですか?」
「なしですっ…!!」
「あ。そーだ。俺、執事の格好してる……これは中々いいショットが撮れるのでは?よし。吉野、携帯。カメラ」
「えっわっ!!」
悠の投げた携帯をキャッチし、カメラの準備をする吉野。
「どんなポーズがベストっすかね?」と静音に密着する悠。
本人は困惑し、されるがまま。
そんなことをしている悠の後ろから鋭い目付きで、なぜか俺に目線で訴えてくる鈴菜。
「悠。ふざけてないで早く行くぞ」
「えーちょっ柊也先輩っ!!まだ撮ってないー!!」
「あっ僕を置いてかないでくださいっ!!」
「え…えっと……いってらっしゃいませー…あはは……」
襟を掴み、引っ張り出す。
ったく…俺が鈴菜に恨まれる。
それにムカつく。
なんで悠はからかうだけでこんなに楽しんで…密着までする……。
あんまり嫉妬なんてもんはしたくねぇんだ。
無性にイラつくのは好きじゃない。
「……柊也先輩は素直じゃないですね…」
「あー?なんか言ったか?」
「いーえ、なーんにも♪」
「なんだよ…」
「悠は一ノ瀬先輩はすな」
「まーさきくん」
「…………う…言わないよぉ……」
なんだろう。
悠が言ったことよりも気になる。
悠が吉野を「正紀」って呼ぶとすぐに言うことを聞くよな…吉野。
なんて上下関係だ。
可哀想に。

