学園祭1日目が終わる頃、部室に行ってみると、静音と伊藤、そして男が1人いた。
「あ、お兄さーん!」
「「お兄さん…?」」
駆け寄り俺に向かってダイブ。
だが、避ける。
伊藤はそのままドアにおもいっきりぶつかった。
「あ゙ぅ゙っ…!!……いたた…た…もうっあたしに会いに来たくせにっ!素直じゃないんだからっ☆」
「お前に会いに来たわけないだろ」
「お兄さんは寂しがり屋さんだなぁもうっ!」
「人の話を聞け」
どうもコイツの高テンションにはついていけない。
中西と凌久を足したぐらいのうざキャラだな。
「えっと……ちゆちゃんと知り合い?」
「残念ながらそんな感じ」
「残念ながらなの!?」
「どうも、初めまして。梅宮律です。残念ながらこいつと知り合い」
「りっつん!君もそんなことを言うのかい!?」
拗ねた伊藤を「冗談だって…多分」と慰める梅宮。
「あ。俺らはこれで。浅井さん、念のために学園祭の3日目が終わる頃までは身につけておいてください」
「うん。わかった」
「ではっまた会おう!しずねん!お兄さん!」
早くも立ち直った伊藤は元気に走って行った。
梅宮は呆れながらその後を追い、部室から出て行く。
あ、そうか。
今言うべきだな。
「なぁ。凌久達のライブに来れるか?」
「凌久くん達のライブ?3日目の13時くらいからだっけ」
「あぁ」
「私のクラスの仕事もそのくらいに終わるから多分、いけるかな」
「そうか。凌久が特等席を用意しとくって言ってた。一番前」
「一番前!?うんっ絶対行く!」
一番前ってとこに惹かれたな、こいつ。
「柊也の演奏、聴きたかったから。悪いけど、結構意外だったんだよね」
「俺の演奏…聴きたいのか?」
「うん」
「じゃ、約束な。…来てくれよ」
「うんっ!」
これでよし。
つーか…聴きたいって……想定外の発言だな。
正直…嬉しかった、かもしれない。

