生徒会室を出て、まず部室へ行くと、部室の前に歩香ちゃんがいた。
そうだ。
告白、上手くいったのかな。
「歩香ちゃん、久しぶり」
「え。あ、お久しぶりです…」
「えっと…」
いきなり聞くべきなのか。
もしもの事を考えたらそれはまずいよね。
自然に話の流れを作ら…
「あの…えっと……振られちゃいました」
「え」
「好きな人がいるらしくって…その……」
歩香ちゃんは手で溢れてくる涙を拭う。
私はハンカチを出して渡した。
「そっか…。でも、告白、ちゃんとしたのは凄いよ。だって、凄く勇気がいることだから」
「…はいっ……」
「歩香ちゃんはまだ諦めたくない?そうなら、私はいっぱい協力するけど」
「……本当はっ…諦めたく…ないです……でもっ…その…」
「うん?」
「やっやっぱりなんでもないですっ…!ありがとうございましたっ…!!」
「え!?歩香ちゃん!?」
歩香ちゃんはお礼を言うと、走って行ってしまった。
私…何かまずいことしたかな……。
というより、悠くんに好きな人がいたとは。
告白するにも計算しておくべきだったかも。
「…お。えーっと名前なんだったっけ?」
歩香ちゃんが走って行った方向とは逆からやって来たのは凌久くん。
昨日、自己紹介したばかりなんだけど…もう忘れたのか。
「浅井静音です」
「あ、そーそー。静音でいい?」
「どうぞ」
「俺も凌久でいいぜ。それと敬語はやめろよ。なんか嫌」
「あ、うん」
凌久くんは部室へ入るとキョロキョロと辺りを見回した。
「どうしたの?」
「柊也は?」
「柊也?知らないけど」
「そうか、よしよし」
「何が?」
「いや、こっちの話。静音、園内案内してくれねぇ?」
「他の皆はいいの?」
「おう。皆、桜にシバかれてる」
シバかれてるって…どういう状況……。
っていうか、桜…そんな人だったの。
「俺はこっそり抜け出して来て暇なわけ」
「抜け出していいの?」
「いいんだよ。とりあえず早く案内」
「うん、わかった」
案内、と言っても自分も全部回ったことないけど。
広すぎだし。迷子になりそう。

