「私は浅井静音です。高2です」

「一ノ瀬柊也。高2」

「一之瀬って…まさかこのバカと親戚か何かなの？」

「バカ!?確かにお前には敵わねぇけどな、バカではない!!」

「あ。やっぱり俺には敵わないって認めてるんだ」

「えっ。違っ…み、認めてなんかねぇぞっ！」

「はいはい、喧嘩しないの。…えっと、この子は一之瀬 凌久(ｲﾁﾉｾ ﾘｸ)って言うの」


柊也は興味なさそうに頬杖をついて外を眺めていた。

親戚でもなんでもないってことなんだろうね。多分。

ここでこの6人について。

この6人は月桜の生徒ではなく、違う学園の生徒。

そこの学園は歌手にアイドルに声優にタレントに役者。

それに加えてマネージャーとか…将来、芸能関係の職に就きたいと思っている人が基本的に通う。

月桜より大きな学園らしい。

たくさん学科とかあるみたいだし。

で、どうしてその学園の人達が月桜に来ているのかというと…


「自己紹介も終わったってことで、よろしくお願いします」

「はい。学園祭が終わるまで協力します」


月桜の学園祭でライブをするために来たみたいだ。

男の子5人がアイドルで、神埼さんがマネージャー兼プロデューサー。

デビューとかしているわけじゃないらしいけど…あんまり細かいことは知らないんだよね。

月桜の学園長先生と6人の通う学園の学園長先生が仲がいいとかで、月桜の学園祭でライブをするってことになったらしい。

そのライブがある学園祭まで案内や協力をするのを頼まれたのが私達。

学園先生長からではなく、生徒会長から。

「生徒会は忙しいから」といつも通りの言葉を添えて。


「それでね、さっそく頼みがあるんだけど…」

「頼みですか？」


神埼さんの頼みはピアノを弾ける人を紹介して欲しい、と。

歌う曲の中から1つ、月桜の生徒がピアノで弾いてコラボをして欲しいらしい。