歩いていると、悠くんが空を見上げた。
「放課後までに止んでくれないと練習できませんね、これは。昨日早退したし」
「う…ごめん」
「え?静音先輩のせいじゃないですよ?あれかかってたら結局早退に…ってあれ。静音先輩、制服……」
一夜にしてこれだけ綺麗になるとその反応になるだろうね。
「凪さんのスーパーマジックハンドの力だよ」
「凄いですね、凪さん。っていうか凄さを超えている気も…」
「まぁね」
なんでも完璧にこなしてしまう凪さん。
魔法使いか何かだと思う。
「…見つけた。ちょうどよく揃ってるな」
「矢口先輩…」
「あ…」
目の前に出てきたのは昨日の先輩。
「静音先輩…逃げてください」
「でも…」
「いいから、早く」
悠くんは小声で言う。
ここで私だけ逃げたら悠くんが………駄目だ。
やっぱり私は誰かを身代わりになんてしたくない。
「静音先輩っ早く」
「嫌。悠くんを置いて逃げるなんて無理」
「静音先輩っ!そんなこと言ってるば…んんっ……!?」
「悠くっ…!?」
急に後ろから口を塞がれた。
手も縛られ、動けない。
「仕返しするのはお前らだけじゃないからな」
にっこりと怪しげな笑いをする先輩。
どうしようっ…!?

