「俺のジャージで我慢してください」
「う、うん」
「俺は誰も入って来ないように外にいますから」
そう言って部室から出て行った悠くん。
連れて来られた場所はサッカー部の部室。
あの若干、ねっとりと感じたのはペンキだった。
制服がペンキ色に染まり、髪も酷い。
…お母様に怒られる、だけじゃ済まないかも。
私は急いで着替えて、シャワーで髪を洗った。
ペンキが完全に乾く前で、ある程度は落ちてくれて良かった。
「悠くん、着替えたよ」
「じゃあ、俺が家まで送りますから、荷物持って来てください」
「は、はい」
なぜか敬語になってしまう。
てきぱきと、どんどん指示される私。
とりあえず、なんだか悠くんの声が怖いので急いで鞄を持ってこよう。

