悠は俺の後ろを指さす。


「柊也」

「あ?…お前か」


振り向いていたのは静音。


「何よ、お前かって!探してたのに……」

「じゃ、柊也先輩!俺は部活に戻りますから」

「おい!悠!」


悠は部室へと走って行った。

ったく…昨日はあんなに捜し回ったのに、今日はなんでタイミング悪く来るんだ。


「な、何…」

「……なんでもねぇよ。で、何か用があるんだろ?」


まぁ、依頼のことか俺が部活に行ってないことだろうな。


「えと…どうして部活来ないの?」

「用事があるから。これから当分行かねぇ。つーか……」


携帯を開き、カレンダーを見る。

今は9月上旬。

もう10月になれば関係なくなる。


「もう一生行かねぇな。10月で半年だろ」

「半年……」


静音の表情は曇った。

仁のいい加減な依頼を達成できないから、か。

そもそも女嫌いなんて直すもんじゃないし。


「つーことで、じゃあな。俺もやる事あるから」

「えっちょっと……」


まだ何か言いたかったのか、声をかけてきたが…

今は静音の話を聞いてる暇はない。