放課後になり、サッカー部が練習しているグラウンドへ向かった。

静音が言っていたように、サッカー部には普通に部活する奴ら(正統派)と、一部柄の悪い奴ら(異端派)がいる。


「あれは…吉野……?」


近場に座り、部室の入り口を見ると、吉野 正紀(ヨシノ マサキ)がいた。

吉野は中学時代の時からサッカー部で、俺より下の1年。

よく悠も吉野の話をする。

一番仲が良いみたいだ。

そんな吉野が、今は異端派と一緒にいる。

脅されている雰囲気などは一切ない。

だが、あのヘタレだった吉野が異端派だとは思えない。


「あ……」


部室から出てきた悠。

そして入り口に溜っていた異端派の1人が缶を悠に投げつけた。

悠は何もなかったかのようにそのままグラウンドへと行った。

まさか…あいつ、目を付けられてる……?

吉野は止めも何もせずに異端派と話していた。

仲が良かったんじゃないのか?