携帯をいじっていた上坂さんは顔を上げ、立ち上がった。
「どうした?亮ちゃん」
「わりぃな。用事ができた」
「ふーん……用事、なぁ…」
「おいおい。疑った目で見るなよ。まじだ」
仁は疑いの目をしたまま、上坂さんに分厚めの本を渡した。
上坂さんはペラペラとページを捲り、苦い顔になる。
「まさか、とは思うけど…このエロ魔王って誰がやるんだ?」
「勿論、亮ちゃん」
「だよな…」
苦笑いをしながら、溜め息を吐くとそのまま講堂を出ていった。
姫に姫の妹、商人、エロ魔王…どんな物語なんだろうか。
とりあえずはファンタジー系っぽいけど。
「会長、私は何を」
「華は魔法使い」
「魔法使い…手品の練習でもしておきますか」
「えええ?ちょっ…俺をどこに連れて行く気?」
「実験台、手品の」
「え!?実験台!?」
華ちゃんに引っ張られながらどこかに連れて行かれる潤。
「褒美は食べ物」
「まじ!?やった~♪」
喜びながら華ちゃんの後をついて行った。
実験台でいいの、潤…。

