- 静音side -
待ちに待った夏休みから早くも1週間が経とうとしていた。
買ったばかりのアイスもすぐに溶け始めるほどに暑い今日この頃。
太陽は今日もギラギラと私の上で熱を発している。
「暑いですねー静音先輩」
「暑いって思うから暑いんだよ。寒いって思えばきっと…」
「いや変わらないと思いますよ」
先程までは図書室で勉強していた…
正確に言うと涼んでいたので、暑さにまだ慣れていない。
「っていうか、家にいるのかな。柊也」
「柊也先輩、こんなに暑ければ外に出るなんてしないと思いますよ」
「そうだよねー…」
頷き、アイスを一口噛る。
この子の名前は白木 悠(シラキ ユウ)くん。
図書室でばったり会い、柊也の家へと一緒に向かっていた。
悠くんと知り合ったのと柊也の家へと行く理由。
それは夏休み前。
終業式の日へと遡る。