人通りの少ない所へと行き、気づいた。
私達も立ち合っていいものなんだろうか、これは。
「凪さん」
「はい?」
「私達、車に戻ってたほうがいいよね?」
「どちらでもいいと思いますが、戻るのであれば…はい。鍵です」
「え、えっと、あとで話聞いてもいい?」
「えぇ、構いませんよ。ただし、私の話だけですが」
「うん。分かった」
凪さんから鍵をもらい、車へと戻ることにした。
部外者がいたら話にくい事もあるだろう。
「喉渇いた…なんか奢れ中西」
「えぇ!?なんで俺やねんっ!平等にじゃんけんやろ!」
「いいぜ。はい、ポンっ…俺の勝ち」
「待てぃ!!おかしいやろ!?絶対おかしいやろ!?いきなりポンっ言ったやないか!!」
「お前、知らねぇのか?ここらじゃポンから始まるんだよ」
「嘘やろ!?そないの聞いたことないわ!!」
「男に二言なし。さっさと行ってこい」
柊也のなんとも卑怯なじゃんけんに負けた中西くんは何か言いたげにしながらも、買いに向かった。
…それよりも、やっぱり気になる。
月森くん達は大丈夫だろうか。
いや、凪さんがついてるから心配いらなさそうだけど…うーん……
「…い、おい。待て」
「へっ!?」
考えていると、急に柊也に手を引かれ、バランスを崩し、そのまま後ろに倒れる体制になってしまった。
「っと…お前、轢かれて死にたいのか?」
柊也が支えてくれたおかげで倒れなかった。
そして、言葉の意味を確認。
ぼーっと考えていたせいで、前を見ずに道路に出そうになっていた。
…危ない、私。