空港の入り口をぐるりと回っていると、入り口に円さんを見つけた。
「円さ」
「円っ!!」
「成くきゃっ!?」
私の言葉を遮り、走って円さんを抱き締める。
わお。
よくドラマとかで見る光景をこんな間近でリアルタイムで見れるとは。
まじまじと見ていると、横から柊也に引っ張られた。
いいところなのにっ…!
「何っ!?」
「安部の親。来たらめんどくさくなるんじゃねぇの?」
「…あ。そうだね」
こんなにも柊也が気が利く人とは思ってもなかった。
見直したよ、うん。
お母さんのほうは分からないけど、お父さんのほうは月森くんのこと嫌ってるみたいだし。
「今のいい雰囲気を壊したくないよね」
「どうする?」
「円っ!?」
「「あ…」」
なんとも悪いタイミングで円さんのお父さんがやって来た。
どうすれば良いのかわからず、あたふたとしていると、すっと私達の前を通って行く。
「凪さん…?」
凪さんは円さんの両親の前に立つと、頭を下げた。
「お話がありますので、お時間よろしいでしょうか?」
「話?そんな時間はない」
「…僕も話があるのでお願いします。終わったらちゃんと送らせて頂きます」
円さんから離れた月森くんも凪さんの横に立ち、頭を下げる。
私達はそれをただ見守るだけ。それだけしかできない。
「話などない。円、行くぞ」
「お父さん!!」
「あなた。話を聞いてあげたら?」
にっこりと微笑み、問い掛ける。
円さんに似て美人なお母さんだ。
「ね?円もそれがいいわよね」
「…うん。お願いします、お父さん」
「………分かった」
ぱっと周りの雰囲気は明るくなる。
良かった…。

