バツが悪そうに柊也は中西くんの後ろに隠れた。
円さんを引っ張って来たからだろう。
「円、時間がないんだ。早く行くぞ」
「でも……」
円さんのお父さんの表情は段々と怖くなっていく。
私がなんとかしなくちゃ…。
「円さん、行ったほうがいいよ。早く」
「え…でも……」
「大丈夫、後は任せて」と、口にはしてないけど、気持ちを込めて笑顔で頷いた。
困った顔だった円さんも伝わったのか「はい」と笑って頷いてくれた。
円さんとお父さんが部室を出ていったのを見計らって、柊也が立ち上がる。
「仁、罪滅ぼしとして月森くんの家まで送って」
「え?罪滅ぼしって…僕、何かしましたか?」
「「した」」
タイミング悪く円さんのお父さん連れてくるし。
わざとだったら悪魔だね、本当。
いや、最初から悪魔だけど。
首を傾げながらも、電話で車を用意してくれた。
仁の家はお父さんもお母さんも凄い人らしい。
詳しくは知らないけど。
「じゃ、柊也行くよ。中西くんも」
「俺も行くのか?」
「今更嫌そうな顔してんじゃないわよ」
「なぁなぁ、浅井さん。どこに行くんや?」
「さっき月森くんの家って言ったよね」
1回で聞かないかな、中西くんは。
「成ん家!?また追い返されるで……」
「その時は強制突破で」
「「え」」
「っていうのは嘘。超凄い味方がいるから大丈夫だって」
うん。
確か、一番偉いとか言ってたと思うし。

