柊也は「帰る」と言って、そのまま部屋を出て行った。
「………えと…柊也が言ったことは気にしなくていいよ」
「いえ。きっと一ノ瀬くんの言う通りです…。私、月森くんに会って、謝って、これを渡して来ます」
ネックレスをぎゅっと握りしめ、私を見た。
真剣に、決意した眼差し。
「分かった。私に協力できることがあったらいつでも部室に来てね」
「はい。ありがとうございます」
円さんの笑顔に応えるように、私も笑った。
なんていうか、柊也のおかげな気が…というかおかげだよね。
……ん?
待てよ。
柊也が帰ったってことは、玄関の危険地帯を1人で行かないといけないの!?
っていうか、道に迷って帰れないかもしれないし…どうしよう。
凪さんについて来てもらえば良かったかも…。
「今日は本当にありがとうございました」
「う、うん。またね」
恐る恐る玄関のドアを開け、ガチャリと閉める。
目の前には寝ている犬。
隣には腕を組んで壁に背をあずけている柊也。
「もっと時間掛かるかと思ったけどな」
…あれ?
なぜか柊也がいるんですけど。
帰ったんじゃなかったんですか。

