円さんは目を瞑って、俯いた。
「私、車に轢かれたんですよ。そのくらい何も考えてなかったんでしょうね、きっと」
「それから…どうなったの?」
「病院で…月森くんのメイドさんに話を聞きました。あの時、月森くんといたのは私ですって」
そのメイドさんは月森くんの買い物の付き添いをしていただけ、らしい。
それをタイミング悪く見た円さんが勘違いをして、こうなったと。
「恥ずかしい話です。自分の事しか考えてなかった私は最低です…本当に」
「あぁ、本当だな」
「ちょっ…柊也!?」
ストレートに答える柊也。
本当、プライバシーの欠片もない男だ。
円さんもまさかそんな事言われるなんて思っていなかっただろう。
少し驚いた表情をして顔を上げていた。
「今も自分の事しか考えてねぇだろ?会ってもらえないとかじゃなくて、会うのが怖いんじゃねぇの?」
「しゅ」
「お前は黙ってろ」
「う…はい……」
なんなんだ、柊也。
柊也のくせに偉そうにしてっ…!
「引っ越すまであと何日?」
「1週間ちょっとです」
「あーそう」
聞いたのに興味なさ気に返事をして立ち上がる。
そして円さんの方を見て言った。
「あとはこいつに頼めば?なんとかしてくれるんじゃね?」
最終的には私任せなのですね、柊也くん。

