円さんの部屋はピンク色を中心に可愛らしい家具が置かれていた。

女の子らしい部屋だなぁ。


「すみません。床に座ってもらう形で」

「ううん、大丈夫だよ」


柊也もおとなしく隣に座る。

さすがにここで1メートルも離れてたら変だもんね。


「…それで依頼は?」

「あ、はい。これを…」


テーブルの上に置かれたものはネックレス。

どちらかというと、男の子が付けるっぽい感じのやつだ。


「月森成くんは知っていますか?」

「うん。知ってるよ」

「このネックレスを月森くんに渡して欲しいんです」

「月森くんに?」

「はい」


このタイミングで月森くん。

今は会ってくれない状況だし…。

というより、プレゼントとかは自分で渡したほうがいい気がする。

もし月森くんに気があるなら尚更。


「円さん。プレゼントとかなら自分で渡したほうが…」

「プレゼントではありません。これは月森くんのものなんです」

「え?」


月森くんのって…落とし物ってこと?

でも、落し物ならこのネックレスが月森くんのって分かるわけでもないし…。