慌てながらなぜか私の前に立とうとする中西くん。
それを阻止するかのように、月森くんは先に前に出て、私の手をしっかりと握った。
「浅井さんっ!!やっと会えました!!」
「はっ!?えっ」
「あっちゃー……」
中西くんは頭を抱えて、いかにも「やってしまった」という感じになっている。
その横では、呆れたように見ている柊也。
「僕は体育祭の日からずっと探してたんです!なのに中々会えなくて…」
「は、はぁ…」
「でも、やっと会えましたね!」
握っている手の力を強め、嬉しそうに笑う月森くん。
私はどんな顔をすればいいのやら…わからない。
「体育祭の部活動リレーの時、特別会長の子を助けてあげる浅井さんに、正直一目惚れしました」
「…ふっ…ありえねぇ……」
誰だ。今笑って「ありえねぇ」とか言ったのは。
確かにありえないと思うけど、人から言われるとイラッとくるよ。
特に言った本人、もとい柊也から。
そういうのは思っても心の中に留めておくものだと思う。
そして、月森くんは聞こえてないのか、そのまま話を続ける。
「なので…僕と付き合ってください」
「無理です」
「「え」」
先程まで、何も喋らず見守っていた中西くんも口を揃え驚いていた。
…つい即答してしまった上に、何も考えずに言った言葉は間違いだった。

