午前中のプログラムは順序よく終わっていった。
人数が多いこともあって、あんまり出てないんだけど。
「ありがとうございました」
「どういたしまして」
只今、怪我をした人を治療する私。
所謂、保健係だ。
人手が足りないって言われたから手伝いに来たんだけど……。
人手が足りないというより、サボって仕事をしてない人が多すぎるだけ、みたいな。
「あー…だりぃ……氷くれ。氷…」
そう言って、だるそうに来たのは柊也。
「あ。柊也」
「ん?…なんでこんなとこにいんだ、お前は」
「見れば分かるでしょ。手伝い」
「本当、手伝うの好きだな…変人」
「変人ってなによ変人って」
本当に失礼な奴。
柊也は空いていた椅子に座ると、前髪を上げた。
「早く氷くれ」
「はいはい」
ビニールに入っていた氷を出そうとすると、そのまま取り上げて、おでこにつける。
「何やってるの」
「冷やしてる」
「なんで」
「ちょっと熱があるから」
「…え」
待て。熱?
今日に限って熱?
何。わざとか。わざとやってんのか、柊也。
「なんで体育祭の時に熱出すのよ」
「知らねぇよ。出たんだからしょうがねぇだろ」
「そりゃそうかもだけど」
なんでよりにもよって今日、熱を出すのだろうか。
「いいだろうが。ちゃんと来てやったんだから」
「…あ。よしよし、いい子だ!柊也」
「お前、殴るぞ……」
そうだよね。
熱を出したとはいえ、ちゃんと来てくれた。
失礼だし、酷い事言うけど、根は優しいってものなのかな。

