本当は、彼らを守りたい。

でも私は、この広場の女神。

女神である以上、ここを離れることはできない。

唯一のできることは、願うこと。

ふわりと、温かい風が吹きました。

「さあ、行きなさい」

女神の声を合図に、綿毛たちは空に向かって飛び立って行きます。

彼らは、歩いて行く。

彼らは、生きて行く。

女神は彼らを見送ります。

無事に生きて花を咲かせたら、また戻っておいで。

私はあなたたちの幸せを願っているから。

彼らの姿が見えなくなっても、女神は見つめていました。


☆★END☆★