【春集】花見に行こうか



私が理解できずにたくさんはてなマークを浮かべているのを見て、父さんは笑った。

それは子供へ向ける父親の笑顔だった。

父さんもそんな顔できたんだね。


「たくさんのティッシュを渡した時、母さんは泣いてたんだ。
母さんはいつも一人で頑張りすぎるから、誰の助けも借りてこなかったんだろう」

「…そんなもん?」

「そんなもんさ。俺はそんな母さんを、ずっと側で支えていたいと思ったよ」

「今は側にいないじゃん」

お母さんは遠い外国にいる。

仕事が忙しいから滅多に帰ってこない。
お母さんの記憶を繋ぎとめるのは、忘れたころにやってくる手紙や電話だけ。

「愛の力をなめるなよ?心はいつでも母さんの側にあるさ」

「何かっこいいこと言っちゃってんだか」

でも悔しいけど。

今の父さんはちょっとかっこよかったよ。