でも自慢じゃないけど、父さんはものすごく頭が悪い。
中学校を卒業して、高校に行くのが面倒くさいからそのまま各地でバイトを転々としていたらしい。
雑学はおろか、花の名前なんてよく知ってたな。
「なんでそんなにこの花に詳しいの?」
そう訊ねた瞬間、父さんの口元が溶けそうなぐらいぐにゃぐにゃに緩んだ。
うわぁ、気持ち悪い。
訊くんじゃなかった。
「それはな、これが母さんとの思い出の花だからだよ」
そんなこったろうと思った。
本当に父さんもお母さんも、お互いのこと大好きだよね。
私にもいつかそんな人ができないかなぁ。
この前クラスの佐藤くんに告られたけど、OKする気はないな。
だって佐藤くん、かっこよくないし。


