【春集】花見に行こうか



父さんが私の手を握ったままぶんぶん上下に揺らすから、腕がちぎれそうだ。

「葵、今日の晩ご飯何?」

「んー、考え中。てか手伝ってよね」

「はーいはい」


なんて適当なオヤジだ。
将来お母さんみたいな大人にはなりたいけど、父さんみたいには絶対なりたくない。

そういえば佐藤くんってなんか父さんに似てる気がする。

やっぱり告白はお断りしよう。


「もうすぐ葵の誕生日だろ?」

「あー、そうだね」

「母さんが今年は帰ってくるって言ってたぞ」

「ほんと!?」

ここで飛び跳ねて喜んでしまう私は、なんだかんだ言ってやっぱり子供なんだろう。

今はこれでいいじゃない。


とりあえず、今日の晩ご飯は父さんの好きなオムライスにしてやろう。


end.