桜色の初恋



なぁ

俺はお前に一言言わなきゃいけねぇな


見上げながら

咲き誇る花ビラ達を愛おしく思いながら

大切に感じながら


ぽつりと

呟いた。




「ありがとう」


なぁ、お前は俺のこの声を聞こえているか?


出来れば届いて欲しい。


そして出来たらこの季節が来るたびに

思い出して欲しい。

俺と過ごしたたった数日間の出来事を。



ふわっと風が優しく吹いた。

それは俺を撫でるように過ぎていく。


俺はいつまでも桃色の満開に咲く花ビラを見つめていた。






おわり