一滴の

 黒い雫が

 心に落ちて



 さざなみのように

 広がっていく



 すべて

 その色に染まっていって

 透明だった世界が

 正しく見えなくなっていくんだ



 不安は

 なぜ

 こんなにも

 強く心を支配するのだろう



 それゆえに

 ありもしないことさえも

 考えて

 猜疑心にとらえられて



 逃げられない



 たった

 一滴の黒い雫に

 私は惑わされて



 すべてを見失っていく